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新ビジネス創出に向けて

西日本電信電話株式会社大阪支店
サイバービジネスワールド
高岡 幸彦 担当課長



コンセプトは新ビジネスの共創
 サイバービジネスワールドは、昨年12月、大阪市中央区のOCBビル1階に開設しました。ここは、ビジネスを創造する人に集まっていただき、様々な要素技術やネットワークを体験し、新しいビジネスモデルにトライアルするための場所です。開設の背景には、家庭や企業でのインターネットの爆発的な普及ということがあります。ネットワーク上でビジネスを展開する事業者や扱われるデータが増加し、利用形態が複雑化、多様化しています。さらに、コンテンツも充実してリッチコンテンツへと変化してきたことなどが相まって、新たなビジネス創出の気運が高まっています。特に、電子商取引は、従来企業間が中心でしたが、もっとコンシューマー寄りの、生活に浸透した利用方法が注目を浴びています。そこで、3年ほど前にプロジェクトを立ち上げ、このような設備を開設してビジネスを創造しようということになりました。

 サイバービジネスワールドの目指すものとして、まずビジネスインキュベーションということが上げられます。利用シーンを想定したビジネスモデルを策定し、様々な課題解決に向けてお客様とコラボレーションを展開、ビジネスを共創しましょう、ということをコンセプトにしています。ビジネスを組み立るときには、端末とネットワークとプラットフォームとコンテンツという、4つのレイヤーが必要だと考えています。さらにそこにはお客様のアイデアも必要ですが、当社ではそのうち端末とプラットフォームとネットワークを用意し、お客様にはコンテンツやアイデアを用意していただいて「技術的な検証やマーケットの検証を行い、ビジネスを創出する」というのが私たちのコンセプトです。

 4つのレイヤーのうち、端末はパソコンやサーバーなどに代表されるほか、ユーザーが情報発信できるテレビカメラ、情報家電などが上げられます。家電情報の例としては、食材の管理をしてくれる冷蔵庫などが上げられます。そして、遠隔地に情報を送るためのネットワークと、情報流通プラットフォーム。プラットフォームでは著作権の管理や課金、検索、情報の蓄積や配信などを行います。こういったものをサイバービジネスワールドで準備し、コンテンツやアプリケーションはお客様に用意していただくということになります。つまり、端末は何を使うか、ネットワークはどれにするか、プラットフォームの機能は何が必要か、というのが一番底辺にあり、その上でコンテンツやアプリケーションをどのように使用するか、お客様が選択するというパターンになります。アプリケーションの例では、リモートメンテナンスやコンテンツの制作、編集、加工を行うコンテンツ工房、ネットワークスタジオなどがあります。ビジネスに関わる形態としては、生産、流通、消費の3つのフェーズがありますから、先の4つのレイヤーと組み合わせてお客様との役割分担ができれば、ビジネスの形態ができると考えています。

3つのビジネスゾーンを展開
 サイバービジネスワールドのゾーンには、(1)ホームコミュニティゾーン(2)コミュニティ&コミュニティゾーン(3)ビジネスコミュニティゾーンがあります。

▲ゾーンの上でマウスクリックすると、ゾーンの説明が表示されます。


(1)は、家庭向けのリッチコンテンツの情報発信を支援するゾーンで、要素技術の例としては、PalmPlazaを利用した3D不動産や3D洋品店などが上げられます。(2)は、ギャラリーや映像を配信するミニシアターなどを用意しています。ここではネットワークを介した3Dの動画を見ることもできます。(3)では、SOHOや一般オフィス、コールセンタなどのオフィスモデルを展示しています。

すでに始まっている新ビジネス
 リッチコンテンツを使ったビジネス展開のキーワードを、5Sと呼ぶことがあります。つまり、スクール、スクリーン、スポーツ、サウンド、それにアダルト系です。スクールの例としてはeラーニングがあります。ネットワークを利用し、場所や時間を選ばず学習できるシステムで、教材や動画を配信したり、著作権管理や課金の管理を行います。すでにトライアルが始まっており、様々な機能や事業性について検討しています。

 スクリーン、つまり映像配信ではブロードバンドのネットワークを使ったオンデマンド方式の映像配信が考えられています。コンテンツホルダが、映画製作会社やビデオ制作会社からコンテンツを集め、一般のお客様に配信するものです。レンタルビデオではカバーできないカテゴリーや年齢層などをターゲットにします。また、プレーヤーをどう集めて、どのようなビジネスフォーメーションを組かといったことが一番の課題と考えられています。さらに、今後は著作権管理や使用権、利用権などの権利技術をどうネットワーク上の機能に乗せていくのかということが課題です。

 また「動画カタログ配信ビジネスモデル」というものもあります。これは工作機械メーカーとのトライアルです。工作機械は、静止画だけでは、どう動くのかわかりにくかったり、旋盤で穴をあけたときの切り口がわからなかったりしますが、動画なら音まで配信することができます。さらにアクセスログを解析することによって、カタログの閲覧時間や、商品に対する注目度などを分析し、お客様の購入要求を知ることも可能です。これを販売会社にレポートとして提出することもビジネスとして考えています。

 ほかに「リモートエンジニアリング」などもあります。これは機械のメンテナンス会社がユーザーの設備を遠隔でサポートするシステムです。

 平成14年4月からは、有害化学物質の登録、廃棄、移動などについて監督官庁への報告を義務づけるPRTR法が施行されます。有害化学物質を使用する企業は登録が必要になるので、その代行サービスをASP的に展開しようということも考えています。

 同じく、平成14年4月からは小中学校の教育指導要領がゆとり教育を目指して変更になります。これによって学習内容は20年前の約6割程度になってしまい、教材としては乏しくなりますが、大学受験等で求められる物としては従来通りの内容になります。その間を埋めるものとして新ビジネスを展開しようと検討中です。考えられていることとしては、教材の配信や課金システム、著作権管理などの他、学生の学習状況の解析などもあります。

 このように当社では、皆様と一緒に様々な技術や手法を検討し、新ビジネスを創出していきたいと考えています。

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