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(株)NTTドコモ関西
法人営業統括部
小谷利夫 企画担当部長
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−マシンコミュニケーションの展望−
モバイルIT経営のすすめ
今よくIT経営ということがいわれますが、不況にもかかわらず、ソフトを活用する産業分野や、システムを設計する企業は非常に元気で順調に成長しています。こういったIT技術を活用し、この不況を乗り切っていただきたいと思います。特にモバイル端末を上手に利用することによって経営効率化が図れると考えています。現在は不況だからこそ、バブル期のような売上高重視・拡大戦略ではなく、きちんと適正な利益を上げるということに重点を置く事が大切だと思います。企業では営業部門と総務部門の効率化が図りにくいといわれています。そこで、営業マンが個人単位の活動から、チームとして協同して活動し効率性を上げるために、営業部門へのモバイルの導入が大ききく貢献できると考えています。
また現代は技術の進歩によって、メーカーによる製品の差別化が難しい時代です。そこで各企業の特色を出し競合他社に対する優位性を確保するために、今脚光を浴びているワントゥワンマーケティングやCRMなどの手法へ、効果を加速させるためにモバイルシステムを組み込むこと提案しています。
情報を扱うことは、人類の歴史の始まりから行われています。最初はうなり声や叫び声が情報伝達手段でしたが、その後、言葉ができ、文字ができ、紙や活版印刷が発明されて情報伝達の範囲が拡大しました。さらにマスメディアが誕生し、音声や映像を使ったメディアも登場して、現在はマルチメディア時代となりました。情報伝達の進歩では、日本では飛脚があり、のろし通信がありました。それが進歩して、電信、電報、ファクシミリ、電話データ通信が利用されるようになり、携帯電話が使われるようになりました。こういった情報伝達の手段を上手く活用することが、日常生活、ビジネス活動においても益々重要になってきています。
ここ数年で急速に拡大しているインターネット利用者のうち、国内では携帯端末の利用者と有線系の利用者ではすでに携帯電話利用者が半数以上を占めています。電話のトラヒックも、データ通信が通話を越え、その格差はどんどん開いています。今後、さらにデータ通信が主流になってくるでしょう。また、固定電話と携帯電話の加入者数は1999年に逆転しました。携帯電話の伸びを見ると、有線系が100年以上かかって築き上げてきた加入者数を携帯電話はほぼ10年で達成しています。
進歩するモバイル通信
では、移動体通信がインフラになりうるかというと、やはり有線は安全で信頼性が高く、無線にはないメリットがあります。有線と無線を上手に機能分けして利用するバランス感覚が大切です。通信分野全体での売上高も昨年固定網と逆転し、携帯電話事業者全体の2000年度の経常利益は7,800億円となっています。こうなってきた要因として、携帯電話はネットワークと端末のバンドル価格なので、安価で導入(購入)できることが上げられます。端末のサイクルも1年半と短く、サービスエリアもほぼ全国をカバーしていることが、市場の活性化に拍車をかけています。その一方で、値下げ競争が起こり、1台あたり通話料の平均単金はどんどん下がってきています。また、携帯電話市場はおよそ8000万台程度で頭打ちになるといわれています。これをカバーするものとして、iモードのようなパケット利用のデータ通信と、マシンコミュニケーションという新市場が考えられます。
iモードが成功した理由の一つが、有料サイトの価格設定にあります。上限を週刊誌並の300円にして料金をあまり気にしなくて利用していただけるようになっています。
もう一つが、コンテンツを重視したこと。銀行の残高照会などを当初からサービスメニューに入れていたことなどが、消費者の心をつかんだために、急成長したと考えています。iモードの利用方法は現在、ビジネス系よりエンタテインメント系の方が多いのですが、今後はビジネス系の比率も増加すると予測しています。平成13年1月には、JAVAを搭載した端末も発売し、プログラムを使った情報の入手やアクセスが可能になったため単に話すための電話から情報端末としての機能がアップしたことにより、携帯がいっそうパソコンに近くなってきたと言えるでしょう。
今後伸びが予測される携帯電話のマーケットは、人対機械、機械対機械のマシンコミュニケーション分野で、現時点ではほとんど未開拓市場であるといえます。特に自動車、自動販売機、ペット、さらに情報家電などすべてが移動通信の対象になり、市場規模は7兆円ともいわれています。このセミナーに参加されているみなさんの企業でもこのような新たな市場に参入されることも検討していただきたいと思います。
今後、期待される利用分野としてはまず、ガス、水道、電気、自販機などの遠隔監視を行うテレメトリングが上げられます。また、位置情報や、地図システムを利用した自動車の動態管理、デビットカードやクレジットカードなどを無線で処理するモバイルECなどが期待されています。実際の活用事例では、コンシューマ向けとして、スーパーマーケットでバーコードを利用した顧客管理を行ったり、iモードを使った美容院や歯医者の予約などがあります。iモードによるカメラの遠隔制御も可能です。工事現場の監視等に活用でき、FOMAを使えば、動画も送信できます。自動販売機の在庫管理やハウス農業の遠隔監視などにはDopaというパケット網を使っているのが大きな特徴です。Dopaは情報量に応じて課金されるパケット通信なので、常時接続していても情報分しか課金されず、低コストで導入できるメリットがあります。既存のシステムに無線をつけるだけで新たなシステムができるなど、移動通信は低コストでシステム構築が可能な点も大きな特徴です。
モバイルで変化するビジネス
今後、モバイルを利用することによって、ビジネススタイルはさらに変化すると考えられます。ネット銀行やネット書店が増加するにつれ、CRM等を導入し顧客に視点を置いた、ユーザデータベースの管理・活用、顧客の囲い込みが重要になってきます。物販からサービス業へと意識や組織の変革が必要だといえます。
当社では今年首都圏で10月1日、京阪神で12月1日からFOMAのサービスを開始しました。第3世代のこのサービスによって、動画まで送信できる高速で高品質のデータ通信が実現しました。電話の形態は従来型のスタンダードに加え、テレビ電話機能を持つビジュアルタイプ、パソコンに接続してデータ通信のみを行うカードタイプの3種類があります。また、FOMAではUIMと呼ばれるチップが付いたカードがあり、このカードを端末に差し込むことによって、複数の端末を同一番号で使えるのも大きな特徴です。FOMAによって、従来より高速で高品質な情報が送信でき、利用の範囲やレベルが拡大されます。
移動通信はいつでもどこでも、いろいろな人とコミュニケーションできるのが一番のポイントです。また、人と人だけではなく、人と機械、機械と機械同士のマシンコミュニケーションを実現し、いつでも、誰とでも、何とでも情報のやりとりができるのも移動通信の強みです。こうしたことを背景に、今後のモバイル通信は更に発達していくと考えられるので、みなさんもぜひ、これを活用し、新たな事業分野や新しいマシンコミュニケーション分野に進出して、ビジネスを創出していただきたいと思います。 |