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モバイル通信の動向とビジネスへの活用

株式会社NTTドコモ関西
法人営業統括部BCM担当部長
小谷 利夫氏


〜モバイル通信の方向とビジネスへの活用〜

高速化する移動通信
 携帯電話は個人利用から発展したもので、法人利用が本格的になったのはここ1〜2年のことです。法人からの収入は、他のキャリアも含め全体の1割程度です。

 固定系の通信市場はブロードバンド、超高速の世界に入り、移動通信にも今後高速化が求められていきます。その足がかりとして開始したサービスが第3世代のFOMAで、64kbpsから684kbps、最終的には2Mbpsまでの高速化が予定されています。
 モバイルと有線系の最大の違いは無線の機動性、即時性です。現在のIT経営には情報の迅速化や経営の効率化が求められていますが、そこに・モバイルの即時性・場所や時間を選ばない機動性・情報がパーソナライズ化でき、個々人に情報が行き渡る・小型軽量である、というメリットを生かせば、有線系のITに比べ、いっそうの業務の効率化が実現できます。今後、移動通信の世界でもデータ系が増加し、2010年頃には8割ぐらいがデータ系になるというのが今後の流れと見られています。企業の経営を健全化するためには、売り上げ重視というバブルの時のやり方から、確実に利益を上げるという方向への転換が迫られています。そこで経営の効率化が求められるわけですが、もっとも難しいセールス活動の効率化に、モバイルが役に立つと見られています。これだけ産業が発達すると個々の製品の差はほとんどありません。その中で活路を見いだし、競争に勝つためには顧客サービスの向上が重要になってきます。そこで、現代のビジネス手法として顧客情報中心のCRMというビジネス展開が注目されているわけです。

 移動通信の音声マーケットの普及率は人口の6〜7割と、今後の伸びは見込めない状況です。その中で今後求められるのが、人と機械、機械と機械というマシンコミュニケーションです。これは約5億7千万の市場があると予測しており、ユビキタスを実現するものとして注目されています。

 では、なぜ携帯電話がこれほど伸びたのでしょうか。まず、端末の安さがあげられ有線系に比べるとローコストで負担なく利用できます。携帯電話を情報端末として利用する場合、最新機種でも約2万円前後ですが、パソコンは相当コストが高くなります。モバイル通信は工夫次第でローコストでシステムが導入できるだけではなく、端末の種類も多彩で、目的に適合したものを選択できます。こういった点がモバイル分野の躍進につながったといえます。

モバイル通信をビジネス分野に
 マシンコミュニケーションはあらゆる分野に適用できますが、特に遠隔制御、ガスや電力、水道メーターの遠隔検針、タクシーなどの車両運行管理、大手運送会社の配送管理、ビニールハウスの温度や湿度、水質の遠隔検診、自動販売機の在庫管理、クレジットカードの無線認証、ビジネス領域でモバイル通信の導入が進んでいます。

 一方、iモードイントラネットは、iモード端末と社内システムを接続するもので、途中にiモードセンターを経由します。端末とセンター間ではパケット網で情報をやりとりし、センターと企業間はインターネットを経由します。ではなぜiモードでイントラネットにアクセスするのでしょうか。パソコンやPDA端末で社内システムに接続する方法もあります。表現力や操作性は、当然パソコンの方が優れていますが、iモードの一番のメリットは携帯性、そして即時性や使用時間が非常に長い、導入コストが非常に安いといった点です。総合すると、iモードを使ったイントラネットの方が効率的で安価に構築できます。また、iモードでイントラネットを構築する場合は、そのための独立したネットワークを構築する必要はありません。既存のネットワークの中に無線で接続する装置を設置すれば導入可能です。現在のインフラを利用し、わずかの投資で構築できる点も大きなメリットです。そういった意味でコストが安価だといえます。また、Javaが使えるようになったことで多機能化し、携帯電話が情報端末という道具として使えるようになってきました。

DoPaを使ったシステム事例
 DoPaを使ったシステム事例を紹介します。DoPaはドコモのパケット網で、モバイルアークという装置や携帯電話、PCカードなどを使って社内LANやDoPa対応プロバイダ、インターネットに接続します。  駐車場管理では発券機や精算機の遠隔管理、事故等の遠隔監視などを行います。従来有線で管理していたところはありますが、これでは非常にコストがかかります。パケットなら、情報を小包のような形で送るので通信コストを抑えられます。また、駐車場の空き情報を顧客の携帯電話に送信するなどの方法でユーザーの囲い込みに成功しているところもあります。  そのほか、コピー機などの遠隔保守管理に利用したり、自動販売機の在庫や故障を遠隔監視するシステム、警備車両の運行管理システムといった導入事例があります。

iモードのビジネスモデル
 iモードを使ったシステムの導入事例としてはバーコードを利用する方法があります。携帯電話にバーコードを読み込み、ホテルやセミナー、チケットなどの予約、マーケティング調査、セキュリティの認証などが可能になります。

 また、iモードをCRM、営業支援に使うことができます。出社する必要がなくなることによって、時間を効率的に使うことができ、出先からの問い合わせや上司とのやりとりをiモードで処理したり、会社に戻らずに営業日報を提出することも可能です。そのほか、出先から自社のサーバーにアクセスして、在庫照会や受発注管理、仮発注まで可能です。もちろん、セキュリティ保護の観点からID、パスワードの入力が求められますが、モバイルスティックという小さな機械を携帯電話に接続することによって、自動的に、またJAVAを活用しセキュリティを守りながらセンターにアクセスすることができます。

 さらに、家電量販店での販売管理システムや派遣業における勤怠管理システム、工事現場で現場と事務所や本社とのやりとりをするシステム、モバイルバンキングシステムなどがすでに活用されています。また、訪問介護のスケジュール管理やセンターとの連絡を管理する訪問介護支援システムでは、携帯電話、PDA両方に対応したシステムが導入されています。最近スタートしたバスの運行管理システムはバスの運行状況を顧客に知らせるものです。

 そのほか、iモードを利用した懸賞システムやアンケート調査システム、バーコードを使った割引クーポン券などが進んでいます。

 こうしたシステムはこの1年ぐらいの間に続々と登場してきたものです。モバイルは有線系とは異なり、法人利用の歴史が非常に浅く、これからビジネス利用が進んできます。モバイルシステムは動くものすべてに適用できます。ぜひみなさまと一緒に、いいビジネスモデルを構築していきたいと考えています。

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