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平成19年5月29日(火)、大阪市北区のザ・リッツ・カールトン大阪で「ブロードバンドセミナー2007」が開催されました。
第一部では「ビジネス再創造の時代」をテーマに、住信基礎研究所主席研究員で、テレビなど各種メディアでもおなじみの伊藤洋一氏の講演が行われました。概要は、次のとおりです。
第一部 ビジネス再創造の時代
日本は本当にコンピュータ社会か
取材などで世界各国を訪れる伊藤氏、会場でも講演開始前にはインド訪問時の映像が流されていました。伊藤氏によると、現在、世界各国でIT、特にブロードバンドやモバイルに大きな動きが見られ、日本やアメリカがインドや中国にアウトソーシングするなど、世界中がITを分業する流れになっていると語ります。日本の状況については、光ブロードバンドやPLC(パワーラインコミュニケーション)、ロケーションフリーなどを例に上げ、ハードは整ってきたと評価されます。
しかし、一方で「日本のソリューションが一体何を解決しているのか疑念がある」と辛口のコメントも。インターネットバンキングに関して、郵便局との支払い証明発行についての交渉や、納税証明が発行されなかった事例など、自身の体験をを例に上げ「ネットワークシステムは進化したけど、少しもコンピュータ社会になっていない。納税や寄付などをインターネットバンキングで手続きすると領収証がもらえないのは問題」と批判。ちなみに、インターネットバンキングを利用して、飲食店の支払いをすることが多い伊藤氏は「銀座一支払いの早い男」と呼ばれているとか。それに対しても支払いの効率化に協力しているのに、旧態依然とした銀座では何のメリットも与えられないと指摘、もっと根本的なところのソリューションが出てくれば、と期待されます。
曲がり角に立つ日本経済
さらに、大きな曲がり角に立つ日本経済の問題点についても何点か上げられました。一番大きな問題点は「人口減少」。常に人口が伸び続けるアメリカなどに比べると、人口が減少する日本は生産性の向上によって経済を成長させていかなければならないと語り「そのためにはモバイルやネットワークをいかに使うかが大事」と強調されます。
そこで振り返りたいのが過去の歴史。江戸時代をはじめ、人口が増えたときには顧客も増加しました。一方、飢饉などによって人口が減少した時代には、商人は顧客を獲得するため、様々な工夫を凝らしました。その一つが「ご用聞き」と「配達」。これなら外出の不自由な人でも買い物が可能になります。これを現在に置き換えた場合「ネットワークがショップの変わりになり、歩けない人、外出できない人もアクセスできる。非常に大きなチャンスがここにある」と伊藤氏。
さらに、その目は世界に向けられています。日本は人口が減少し始めましたが、世界経済の中ではロシアや中国など経済力を持ち始めた国が増加しています。「日本の商品を買ってくれる顧客が、世界では必ず増えるはず。日本の製品に自信を持って」とエールを送る場面も。最後に「時代の変化とともに、ネットワークを使える業種も増加しています。我々が蓄積した経験を転換させる時代に入ってきたのかも知れません」と強調し、講演を結びました。
伊藤氏のウェブサイト http://www.ycaster.com/
第二部 光とモバイルの意外な味わい
第二部でのNTT西日本サービスクリエーション部新ビジネス部門長・廣瀬雄二郎氏による講演のテーマは「光とモバイルの意外な味わい」。光ブロードバンドとモバイルの新しいビジネスの形について、実例や最新の技術動向も交え、映像を多用しながら紹介されました。
便利なツールからサービス創造へ
便利なツールとして登場したITは、ブロードバンドや携帯など、通信環境が整い、いまや新しいサービスを創造するツールにも利用されるようになりました。その一例がFMC(固定携帯融合)です。これは1台の端末でIP電話にも内線通話にも、外線通話にも携帯電話にも使用できるサービス。受注システムと連動させることによって物流などもコントロールできる便利なものです。
また、ITが新しいサービスを創造した実例としてはアマゾンがあります。アマゾンはインターネット上の書店として発足しました。現実の書店ではユーザは書店に出かけて、本を探し、重い本を持ち帰ったり、様々な点で妥協しなければいけません。アマゾンはそれを打破するものでした。消費者の妥協を打破しながら生き残り、現在、アマゾンは60近いカテゴリを持つ総合マーケットプレイスに成長しています。もともと現実にあるものをネット上に置き換えたサービスから、現実にはないものに進化しているのがアマゾンの例です。
本日のテーマには「意外な」ということばを入れていますが、新しいサービスは当初、意外なものです。たとえば、テレビの場合、地上波を見るだけものものから、ゲームやオンデマンドIP配信を楽しんだり、CS、BSを見る、あるいはDVDで映画やアニメを鑑賞するといった多彩な使い方をするものに変化しています。これは地上波しかなかった時代から見ると意外なはずですが、現在は当たり前のサービスになりました。光とモバイルの関係もまだ違和感があるかも知れませんが、やがて当たり前になるでしょう。
革新的なアイデアとは
革新的なアイデアは当初、奇妙に見えるものです。たとえば、電話も発明された当初は当時、全盛を極めていた電信に取って代わられるとは思われていませんでした。しかし、その後の状況はご存じの通りです。
ウェブ2.0の世界では、様々なサービスが登場していますが、その中にも奇妙に見えるものがたくさんありました。「DEMO」はハイテク関連企業の新サービスや新技術、新会社をプレゼンテーションする発表会です。そこで発表された無料IP電話ソフトのスカイプやブログソフトのシックスアパートなども当初は奇妙に見えたかもしれませんが、その後メジャーに成長しました。ここで発表されるサービスがどのぐらい化けるのかを判断し、どう捕まえるかが、ポイントになります。今年2月のDEMOのトレンドの中で一番多いのがコンテンツ作成、共有支援、コミュニティ支援でした。こうしたものが日本にやってくるのはおそらく半年から1年遅れ。特にCGM(コンテンツ+コミュニティー支援)はトレンドになりそうです。
ブロードバンドビジネスの動向
ブロードバンドサービスの中でも光の伸びは著しくすでに800万回線を超えています。他方ADSLはすでに純減に転じ、現在はNGN(次世代ネットワーク)の時代に入りつつあります。ユーザから見れば、帯域が増加し、常時接続化されてきたという状況です。ネットワーク上で提供されるサービスも、テキストから静止画、動画配信を経て、現在はSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)やブログなどが目立っています。
そのほか、ブロードバンド上のサービスの動向として上げられるのは高品質の映像配信サービス、バーチャルワールドでのコミュニケーションを可能にした「セカンド・ライフ」、ネット上でアプリケーションを使えるSaaS(Software
as a Service)、個人が制作した動画を世界に向けて公開するYouTube、さらに集団で百科事典を作るウィキペディア、ビデオクリップにコメントが付けられるコニコ動画といったサービスが登場しています。あるいは、最近のCMで目立つのが「続きはウェブで」という手法。ネット広告の伸び率は非常に高く、1000億円ぐらいから3000億円ぐらいに伸びています。
モバイルビジネスの動向
一方、モバイルビジネスのキーになるのは「パケホーダイ」などのパケット定額制。ネットワークも高速化し、サービスも豊富になりましたが、そのベースになったのがパケット料定額の潮流です。さらに携帯電話もワンセグが搭載されたり、クレジットの決済機能が付加されるなど高機能化しています。ケータイクレジット「DCMX」はすでに契約者数も200万を超えました。また、携帯電話で利用できるサービスも「モバゲータウン」や「うた・ホーダイ」、携帯電話でマンガが読める「携帯コミック」など多彩、多様化しています。携帯コミックはNTTソルマーレのサービスで、初めて2年7カ月ほどで1億ダウンロードを越えました。こうしたことに伴い、パソコンから携帯に流れる人が増加しています。
NGN(Next Generation Network)とは?
NGNとは、NTTの中期経営戦略として打ち出したもので、次世代サービスを作り出す基盤となるネットワークです。従来の電話網の持つ信頼性と安定性を維持しながら、インターネットの持つ使いやすさ、コストなど両方のいい面を併せ持つネットワークを作ろうというものです。
その特徴としてまず1.品質保証、2.セキュリティ、3.信頼性、4.オープンなインターフェース、の4つが上げられます。すでに2006年11月からフィールドトライアルを開始し、今後本格サービスのスタート、移動系とのシームレス化といったステップを踏んでいく予定です。このサービスがユビキタス社会の基盤となり、電話のように誰でも使えるIPネットワークとなることを期待しています。
現在、大阪では梅田のショールームでNGNのトライアルを実施中で、商用のサービスは今年度中に開始しようと考えています。ネットワーク上でプレーをする人たちにいかにサービスと品質をセットで提供できるかを現在検討中です。一番最初に提供しなければいけないのは、地上波デジタルのIP放送で、現在その準備中です。
光とモバイルの味わい
光ブロードバンドには、常時接続性、帯域の確保、大容量、セキュア、操作性の高さ、大画面で臨場感を得られる、といった特徴がある反面、モビリティに欠けるといったデメリットがあります。一方、モバイルはモビリティやパーソナル度の高さに優れていますが、電波がつながらないことがある、小画面、操作性の低さ、セキュリティ面の不安、電池の問題といったデメリットを抱えています。
この両方が歩み寄ってきたサービスがNTTネオメイトが提供している「ひかりモバイルmyPC」サービス。外出先からインターネット経由で自宅やオフィスのパソコンにアクセスして遠隔操作できるサービスです。これを利用すれば、重いパソコンを持ち歩く必要がなくなり、シンクライアント(パソコン画面を転送し表示する方式)のため、携帯端末に貴重なデータが残らず、安心、安全なリモートアクセスが可能になります。
これによってビジネスシーンでは営業日報を帰社せずに書いたり、パソコンに保存した動画やメール、音楽などのデータを取り出すことも可能になります。プライベートではテレビの録画を外から遠隔操作したり、パソコン初心者を沿革でサポートすることも可能です。利用料は月額600円で、すでに今年の3月27日からサービスを開始しています。
また、携帯電話からインターネット経由でAV機器やエアコンなどの家電を操作する「ユーコンセントサービス」や、携帯でダウンロードしたコンテンツをパソコンでも閲覧できる「NFRMサービス」の実証実験もスタートし、光と携帯が融合したサービスがすでに始まっています。まだ、意外なものも多いかも知れませんが、しばらくするとこれらが当たり前のサービスになってくると考えられます。
NTT西日本大阪支店主催の「オフィス・光ソリューションフェア2007」と同時開催
最新のシステムの紹介、又、NTT・有名講師によるセミナー等、もりだくさんのイベントをご用意しました。
当協会もこのフェアーにブースを出展し、より多くの方々に活動状況などを報告しました。


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